スクールフォトは特殊だよ
先日、スクールフォトのご依頼で撮影へ。
スクールフォトとは、学校・幼稚園・保育園などの行事を撮影することを指す。
昔、修学旅行などに付き添ってきたカメラマンがいたでしょう?
アレです。
いわゆるスナップと呼ばれる種類のもの、クラスや学年ごとの集合写真にあたるものに分類される。
あぁ、卒業アルバムとかに載ってたアレね!って思い浮かべる人もいるのでは?
そう、それ。
スクールフォトって地味そうな呼び名だけど、すごく特殊な世界。
これが結構難しいのだ。
親が撮れない写真を撮る、それがスクールフォトの役割。
スクールフォトで一番大事なのはマナー。
すんごく厳しいんだわ。
服装だけでなく、靴の置き方や荷物の整理整頓、学校名に必ず敬称をつけるなど。
撮影以外でも気を遣う部分が多いわけだ。
子どもたちとの距離が近すぎても、遠すぎてもいけない(気持ちの面でも、行動面でも)。
でも、楽しい雰囲気を残すためには、ある程度コミュニケーションを図ることもあるけれど、バランスよく全員と関わらなければ、撮り漏れが出てしまう。
中には、「写真見せて!」って言ってくる子もいるけれど、そこはうまく交わさなければならない。
行事の妨げとならないよう、細心の注意を払う。
いろんな心構えを叩き込んで、いざ撮影へ。
小1時間程度のイベントでも、100名近い子どもたちを全員必ず押さえなければいけない。
なぜなら、保護者から「うちの子が写っていないんですけど!」とクレームに発展するからだ。
普段の撮影とは明らかに違うこのスクールフォト。
絞りや感度に関する制約も多い。
カメラの設定や画像サイズが違うし、複数のカメラマンがいれば全員で設定を同じにしなければ違う仕上がりになってしまう。
事前に設定は終えていたけれど、天候や室内環境によって変わるもの。
今回は私を含む2人で撮影を担当したが、駅で待ち合わせて歩いていく間に、全部の打ち合わせを終えて、到着後にすぐ設定し直す。
一番大きな違いは、露出。
露出は、通常私が撮影する場合、明るめでもプラス3分の1アップさせる程度だが、スクールフォトの場合はプラス1。
相当明るめだ。
最初、同行したカメラマンさんからプラス1って聞いて、「え?!プラス1?」と思わず聞き返してしまった。
事前にマニュアルを渡されていたので、それを読んでいた私は、「あのマニュアル通りでプラス1って間違ってないですか?」と返答する。
そうすると、「マニュアルのままだと無理なんで無視して」と驚きの答え。
なんのためのマニュアルよ……。
このプラス1は、撮影後に調整しようとしても難しい。
撮影時にしっかり意識しないと、画像調整に頼っていたら、ほかの子どもとの差が明らかに出てしまうのだ。
無理にPhotoshopとかで調整しようとすると、本来残すべき部分まで白飛びしてしまう可能性もある。
アンバランス極まりない仕上がりになるから、撮影時にキープすることが大事。
差が出てしまったものは、NGカットとして販売はできない。
つまり、その子が写っているものはなくなってしまうのだ。
重大な問題になりかねない。
どんなに小さい子どもでも動きが早いので、室内であろうとシャッタースピードは最低でも200分の1をキープ。
スポーツイベントだと、もっと早いシャッタースピードが必要。
だから、子どもたちを追うだけでなく、ファインダー内の撮影情報を逐一確認してシャッターを切る。
その慌ただしさはすぐに慣れるとして、何が一番辛いか。
学校・幼稚園・保育園って駅前にあるところが少ないでしょう?
どうするかって、駅から徒歩よ。
駅から数十分かかる場所にあろうとね。
しかもね、行事って大体午前中にやるでしょ?
移動時間は通勤ラッシュよ。
上り方面は自宅から近くても危険!
1駅でも、まず乗れない可能性がある。
みんな通勤だから、満員電車にキャリー持った人にどうぞなんてスペース譲る心のゆとりはないもんね。
これから仕事だって、イライラしてる人ばっかりだから。
むしろでっかい荷物を持って迷惑行為をしているのは、私だし(汗)
1本見送るか、1番空いていそうな車両を探して食い込むかのどちらかになる。
しかし、遅刻したら罰金だぞ!と意を決して乗るしかない。
最初そこまで想定していなかったけれど、1回経験してこれはちゃんと本気で考えたほうがいいぞ!と思った。
身の危険につながる。
死ぬよ、マジで。
通勤の方々、本当にすみませんでした。
行事が多くなるこれからのシーズン、スクールフォトを受ける機会も増える。
撮影に関することだけじゃなくて、通勤地獄に危機を感じた私。
毎日満員電車に乗る人の気持ちが理解できたかも。
結論、8時・9時台の上り電車は危ない。
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