たとえ話
最近あった出来事。
押入れの襖がわずかに開いているのを見て、
「幽霊出そうで怖いんだけど」と小学生の子どもがいう。
確かに開いている。
小学生の子どもにとってはそういう小さなことでも恐怖よねと感じつつ、
私の諭し方はいつもたとえ話へ変化してしまう。
「幽霊はさ、生きてる時にやり残したことがあったり、
思いを伝えたい人を探したりしているだけで、
すごく純粋な気持ちで現われるんだよ。
もし出てきても、あなたが探してる人じゃなきゃ何もされないと思うよ」
素直にウンウンと頷く子ども。
さらに続けて、私。
「本当に怖いのはさ、生きてる人だと思うよ。
たとえばあなたの手・足・言葉・態度が人を傷つけることもあるでしょ?
時には人は武器を持って悪意で人を痛めつけるでしょ?
だからママは生きてる人のほうが幽霊より怖いと思うよ」
真面目に話を聞く子ども。
そして畳み掛けるように、私。
「だから、自分と同じだけ人を大切に思えるといいよね。
ちゃんと自分を持って生きていれば、
あなたがもしこの世を去る時が来ても、
きっと心が潤った状態で天国へ行けて、
幽霊になることもないんだよ」
私のこんなしょうもない話に納得し、眠りにつく子ども。
幽霊は怖くないといったけれど、
やっぱりホラー映画を観た後は……深夜のトイレに行きたくないと思うのだ。
いいのか、この子育て?
正解がないよね、子育てって。
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